神聖ローマ帝国1654年サルヴァトールメダル
サルヴァトール ムンディと書かれたキリストの左向きの肖像
神聖ローマ帝国のレオポルト1世(治世1657年〜1705年)の間に発行された
10ダカットのサルヴァトールメダルです。
キリストの顔が後期のサルヴァトールメダルとはかなり違っています。
レオナルド ダ ヴィンチはこれより約100年前に、最後の晩餐でキリストの
顔を描いていますが、それに比べるとこの顔は凛々しくはなく柔らかい感じです。
同じサルヴァトールメダルでも1800年代以降のものは、ダヴィンチの描いたような
顔つきになっていて、イタリアとオーストリアでは距離もあり、伝わり方が時間が
かかったのではないだろうか?と私は思っています。
裏面もハプスブルク家の紋章である双頭の鷲と十字架が描かれていて
ウイーンで鋳造されたようになっていますが、後期のものはウイーンの都市景観を
描いていて、時代が下るとデザインでも相当に違ってくるものなのですね。